開講報告|平成21年度ポストグラデュエートコース 1コース

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平成21年度ポストグラデュエートコース 1コース

 「ぺリオドンタル・ マイクロサージェリー」 歯周外科手術の新基準を提言する

   H21年9月13日に「ぺリオドンタル・マイクロサージェリー」歯周外科手術の新基準を提言するという演題でポストの第1コースが開催されました。 講師は平田哲也先生と松川敏久先生です。

午前中に両講師による講演があり、午後からは松川先生によるマイクロスコープを 使ったデモと実習がありました。
講習会の参加者は大学25回から大学52回卒迄の17名の参加者があり大阪歯科大学の出身者で占められました。
当日は前日の雨もあがり秋晴れの爽やかな一日となりました。朝早くから実習に使う各社のマイクロスコープが5階の講義室に搬入され設置されたのは壮観でした。
協賛各社は、GC、タカラ、白水、マニー、三鷹、モリタ、ヨシダでした。 早朝の設置から後片付けまで本当に有難うございました。

平田先生の講義の内容を簡単にご紹介しますとWhat is microdentistry というマイクロスコープの原点から説き起こされました。 
まず最初はルーペから使い、それから高価なマイクロスコープを使う様にすれば順応しやすいとのアドバイスでした。まだまだこれから発展する分野ですので、大学での基礎研究、行政の協力のもとで、post及びundergraduateの教育に組み込む必要があり、又、各マイクロスコープの製造業者の研究と機械の改善及び、それを使う臨床家が多くでることが、これから必要とされるとの事でした。又、マイクロスコープの幅広い用途についても説明されました。歯内療法や外科処置及び補綴などで用途が広がると共に専用のチップが考えられ色々な機能をつける事が可能になりつつあります。これからの提案として歯科以外の医科の外科、耳鼻科眼科といったマイクロスコープを使う他科との交流が大事であるとのことでした。それにより将来、歯肉の中の血管をつなぐといった様な夢の様な事が可能になるかもしれないとの御示唆を受けました。

次に松川先生のご講演の内容をご紹介致します。
まず先生がmicrosurgeryの世界に足を踏み入れるきっかけになったのは、矯正科からの依頼で矯正後の歯肉退縮を根面被覆術で何とかできないかという事でした。それから先生はアメリカのDenis A.Shanelec先生のもとで研修を受けられました。マイクロスコープを使った色々な症例のスライドを見せられました。歯周外科におけるmicrosurgeryを使った根面被覆術、歯肉乳頭形成術、歯冠長増大及び歯槽提増大術などperioのmicrosurgeryを使った症例を見せられました。
 

又、幅広い臨床への応用例があり歯内療法では歯根端切除術や、超音波を使った折れたファイルの除去等の症例をみせられ、修復はレジン充填、ラミネートベニア冠のマージンテクニック、ジルコニアのフレームの試適、セメント特にレジンセメントの除去、メタルコアの除去、補綴物のマージンの適合の確認等の症例をあげられました。又、インプラントではソケットリフトやサイナスリフトの症例の提示と、サイナスリフトでは後上歯槽動脈からの出血が多いので注意が必要であるとの事でした。又、Shanelec先生のもとでは抜歯即時埋入のインプラントは100%の成功率でそれには不良肉芽の掻爬が必要であるとの事でした。以上が午前中の講演内容の大旨で、午後からは松川先生がマイクロスコープを使ってデモをされ、periodontal microsurgeryの基本的な切開及び縫合をラバーダムを使って行われました。参加者は真剣に実習を行っていました。かなり繊細で精密なテクニックが必要とされるみたいですが、松川先生はD.A.Shanelec先生の「microdentistryは順序だてられた足算である」の言葉や、福島先生の「step by step」とか外科で成功する為には「50%の忍耐が必要である」との言葉を紹介されました。又、periodontal microsurgeryの長所は術後の疼痛が少なく治癒が速く、術野が明るく拡大されるので細部へのアプローチが可能であるという事であり欠点はmicroscopeの機材や専用器具を買わないといけないし、かなりのトレーニングをしないと肉眼で行う程のスピードではできないと考えられます。

以上が当日の内容の大旨であります。ご講演されました平田先生、松川先生に感謝の念を捧げますと同時に、これからのご活躍をお祈りします。

最後にまとめさせいただきますと、microscopeを使った治療はこれからどんどん発展する分野であり、手先が器用であり、なおかつ繰り返し練習する忍耐強さ、精密さを要求されるという面では、日本人の特性に合致した所があり、我々日本人の歯科医の優位性が大いに発揮される分野ではないかと考えます。その為には、やはり歯内療法、歯周外科手術、補綴等を肉眼でしっかり治療できる技術を身につける事が大前提であると思います。

ポスト委員長  藤 野  明