
このたび熊本地震により被災された方々に心からお見舞い申し上げます。幸いに早蕨会会員は、一時避難所への方もお有りでしたがご無事のご様子でした。一日も早いご復興をお祈りいたします。さて、全国の皆様にもご案内させていただきました大阪早蕨会同窓会が平成28年4月16日(土)ホテルモントレグラスミア大阪にて開催され、竹村明道君の解剖学講座教授就任記念講演がありました。他府県より16名、合計45名もの会員のご参加をいただき、ご来賓として大阪府同窓会より藤田毅副会長のご臨席を賜りました。解剖学講座教授就任記念講演は、「アクリル樹脂注入法からわかること」と題し、樹脂注入法鋳型標本について竹村明道君に講演していただきました。まず注入に用いる樹脂はアクリル樹脂で、我々歯科医師にとって身近な義歯の材料であること。実は学生時代に、故太田義邦教授の解剖の授業で見て、その魅力にひきこまれライフワークになったとの事でした。
さらに、2013年のNHKスペシャルの「病の起源:脳卒中」に脳血管の、同「ためしてガッテン」に心臓の血管鋳型標本が出演したということで、その両標本の映像を画面いっぱいに観察しました。なぜアクリル樹脂が毛細血管にまで注入できるのかを、歯科理工学的に説明を受け、さらに樹脂を注入したライオンの頭部をメスとピンセットで解剖した話で、ヒトの咬筋は浅深2層なのにライオンの咬筋は7層もあってたくましいこと、その咬筋への血液供給も種々の動脈から送られていることを聞きました。また、抜歯窩の治癒過程や、歯根端切除術時の
治癒過程などの説明も受けました。創傷が治癒するには、修復材料を運んでくる血管が出来なければなりません。まず毛細血管ができ、それが太くなり、周囲に小さな骨ができます。治癒が進むにつれ、骨が次第に増えて逆に血管が減り新生骨と既成骨との境界がわからなくなる頃、骨ならびに周囲組織の維持に必要な血管だけが残り、創傷は完全に治癒します。血管と骨の変化が経時的に示され、治癒に至る様相がほんとうに良くわかりました。基礎から臨床につながるとても有意義な講演でした。竹村君ありがとうございました。久しぶりにみんなで授業に集中した後、貫野君司会のもと、大阪早蕨会会長 久家邦靖君の挨拶、続いてご来賓の藤田毅副会長のご挨拶をいただきました。早蕨会会長 竹村明道君の乾杯の挨拶にて懇親会が開会となりました。ただみんなが気がかりだったのは開催二日前から続く熊本地震でした。河村君より熊本の中川順一君、大分の毛利郁生君との電話でのお話が披露され、少し安心いたしました。また馬谷君より会計報告の後、懐かしい笑顔の中やさしい時間が過ぎました。
私たちが大阪歯科大学を卒業して、なんと!38年の年月が過ぎました。皆様それぞれにいろいろな歳月が流れたことと思います。次回の早蕨会同窓会を来年(平成29年)大阪にて開催とお伝えしておりましたが、大学卒業40周年記念の早蕨会同窓会として、平成30年に大阪にて開催させていただくことに役員会にて変更となりました。何かいつもとは違った企画を・・・、とただ今目論み中です。冬号には、40周年記念同窓会のご案内をさせていただきたいと思っています。全国よりたくさんの会員の皆様のご参加をお待ちしています。楽しみなその日まで、どうか皆さまお体に気をつけて、ご自分に優しく! ご活躍ください。
悲しいご報告があります。木田勝己君が平成28年6月5日にご逝去されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
(土居香世子記)
木田勝己君を偲んで

6月5日に木田勝己君の計報をFAXにて知りました。牧野時代B組で、席番が近かったこともあり1学年から、よく京都にお互いの車でドライブに出かけいろんな話をしていました。彼は個性的な性格であり独自の考えを持っていたように記憶しております。ある思い出に、大雨で川が氾濫して洪水になっているところに、車でどこまでいけるかトライして車を壊したこともあり、牧野時代は彼とよく酒を酌み交わしながら仲良く又楽しく過ごした思い出があります。天満橋の専門課程に入り私もクラブ又学業に忙しく、余り行動を共にすることは少なくなり、卒業後は北海道札幌にて開業されたと報告があり、地域医療に貢献されたと聞いております。
卒後30周年記念総会・懇親会には出席され、とても元気そうで、40周年も元気な顔が見られるものと思っておりましたが、非常に残念であります。木田勝己君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。合掌。
(久家邦靖 記)