開講報告

平成30年度ポストグラデュエートコース 5コース

いかにして日本国民を歯科医療に覚醒させるか?~ そのために必要な知識とコミュニケーション技術 ~

 2018年11月25日、当日は秋晴れの日曜日。天満橋周辺は大阪マラソンが開催されて騒然としている中、今年のポストグラデュエートコース第5コースが開催された。講師の西田亘先生は、内科医(糖尿病専門医)でありながら、生まれ変わったら「衛生士になりたい。」とまで語る歯科の応援団であります。午前の講義では、内科医から見る「なぜ歯科が国民にとって大切なのか、歯科医自身も知らなかった歯科界の現状、そして現在の日本で上手く進み始めている「医科歯科連携」などの講義がありました。どれもが自分たちの感じているのとは少し違う世界で、歯科の未来を感じさせるものでした。 また、西田先生からは足利赤十字病院や千葉大学医学部附属病院などの事例や論文が紹介され、私たちが考えている以上に歯科が国民の健康に役に立つ事や「医科歯科連携」の重要性を学びました。
 午後は、医療面接についての講義とロールプレイング実習がありました。「医療面接は患者とスタッフ双方の心に貯金し、双方が倖せに至るための学問である。」とおっしゃています。要は単なる症状の聞き取りではなく、双方が良好な関係を構築するためのインタビューという事らしいです。(“inter-view”西田先生の解釈では“inter”相互に“view” 見るという意味で、一方的に医師から患者に症状を聞くというような立場の差があるものでは無く、互いに信頼感を構築できるような聞き取りを指します)その為ロールプレイング実習ではどうやって患者の心を掴み、患者の本心を理解するかを体験する演習となりました。しゃべりかける位置やこちらから語りかけるべき内容をまず学び、疑似体験したのですが、案外自分達で体験してみると思った以上に「気づき」があることを受講者の皆さんは感じられたようでした。 コースの最後には、サーティフィケートの授与の後、大学22回卒業の倉橋務先生から謝辞があり無事今回のコースを終了しました。最後に、今回のポストグラデュエートコースを終えて、知識と実践力のどちらも必要なのは容易に理解できますが、コースに参加する事で得られるモティベーションの重要性というものを実感しました。やはり講師の生の話は、本を読むのとはまた違った魅力があるのを再確認でき、これからも多くの同窓会員が大阪歯科大学同窓会のポストグラデュエートコースに参加頂けることを願っております。

(大学30回 釜田 博史 記)