開講報告

平成24年度ポストグラデュエートコース 2コース

よい義歯 だめな義歯、実践編 -発想の転換で総義歯が変わる-

平成24年7月1日、本学天満橋学舎臨床講義室において表題コースが行われました。本学同窓に止まらず、他大学卒業生や、テクニシャン、ハイジニスト総勢120余名の参加者を得ました。年代も大学2回の大先輩から卒直後の先生方まで幅広く、研修会場は満席で、熱気に包まれていました。

   冒頭、鈴木先生は総義歯臨床が熟練を要するものと考えられがちであるが、解剖や生理的な顎運動の成り立ちが理解できていれば、解決できる部分が多い治療であると述べられました。

   要旨としては、デンチャ―スペースを基本として考え歯槽頂にとらわれず、顎堤の吸収を熟慮し上下顎の床縁設定を行うこと、加えて咬合採得時の下顎の誘導法、人工歯配列の基準について、咬合様式の選択と付与の仕方、そしてセット後の調整方法等々を豊富な症例と動画を交え惜しげなく解説して頂きました。講義が進むにつれ鈴木先生の歯切れの良い口調に参加者全員がぐいぐいとその話の内容に引き込まれていきました。今まで判然としなかったその概念がすっきり晴れ渡った感がしました。

   講義の最後に紹介された症例では、先生と患者様との強固な信頼関係が感じ取れ特に驚かされました。歯科医師として自身の日常臨床を見直す為の十二分な自己啓発の機会となりました。

報告者:P.G.C.委員  植木 俊雄(大30回)
文 責:P.G.C.委員長 佐古 好正(大28回)