開講報告

平成22年度ポストグラデュエートコース 1コース

インプラント周囲軟組織のマネージメント

平成22年7月18日(日)本学天満橋学舎5階臨床講義室にて福岡県福津市開業の水上哲也先生(九州大学卒業)を招聘し、22年度ポストグラデュエート1コースを「インプラント周囲軟組織のマネージメント」という演題で開催した。
大阪歯科大学(大21~57回)24名をはじめ神歯大、朝日大、北大歯、愛学大、岡山大歯出身者、歯科技工士さん、歯科衛生士さん、計39名の参加が得られた。

午前9時30分藤野PGC委員長の挨拶の後、講演が始まった。「歯科」は、他の医療分野と比べて人の審美性に深く関わってきた数少ない分野であり、近年インプラント治療が普及したことで、より審美的な補綴修復が達成されるようになった。

治療にあたっては、常に5年設計、10年設計を頭に入れ診療をしなければいけないと前置きされ、前歯についてその審美的特徴が述べられた。次にインプラント治療による審美修復のための診査・診断項目としてスマイルライン、軟組織、歯牙、骨、患者サイドの問題点に分類し説明された。

いよいよインプラント埋入ポジションの影響と治療戦略の話へと展開した。特にインプラント治療においては、骨縁上周囲軟組織の高さと厚みが重要であること。埋入ポジションは、頬舌的には、切縁線を越えないようにすること。プラットフォームを最終的な歯頸ラインより3~4㎜根尖側寄りに設定することなど図解された。

ここで昼食休憩に入り、午後の講演は、1時15分から始まった。インプラント治療における審美的な補綴修復の達成には、周囲の硬軟組織の増大処置をはじめとする外科手術の発達が背景にあり、その中から歯周外科を応用した切開・縫合について解説があった。インプラント手術に欠かせない歯肉弁の可能性を高めるための減張切開についても言及された。

最後にまとめとして、1~2年で歯肉が退縮すると審美的に大きな問題となる為、適切な位置方向への埋入、十分な骨壁の確保、十分な軟組織の厚みの確保に注意すること。できるだけ既存骨への埋入を行い、骨造成法の選択も考慮することなどが強調された。
残念ながらあっという間に終了予定時刻となり、水上先生も最後は駆け足の講演となってしまった。また、本講演を通じて形態学も審美修復を成功させるための重要な要素であることも再認識させられた。

PGC委員 疋田 陽三