開講報告

平成28年度 一般1コースレポート

審美・機能の長期安定を目指した矯正臨床~矯正治療を単なる美容で終わらせないために~

 平成28年度のポストグラディエートコース 第1回レギュラーコース 小川晴也先生の講演が平成258年5月15日に大阪歯科大学 天満橋校舎 にて行われました。テーマは「審美・機能の長期安定を目指した矯正臨床」という内容でした。
 小川晴也先生はご存知の方も多いかもしれませんが、日本矯正学会専門医・認定医などの矯正関連の多くの資格の他、筒井塾咬合療法研究会のインストラクターをされており、今回の講演も矯正をどのようにするか等というテクニック的な話は少なく、主に患者に対する向き合い方、長期安定性を得る為の矯正分野だけではない臨床のノウハウや咬合なども含んだ内容をお話いただきました。
 態癖・呼吸・舌位などに関わる悪習癖、不適切な咬合面形態、経年的な歯列の変化などについてお話があり、診断の重要性などを多くの症例を交えた内容で講演されました。
 私たちが日常臨床で見逃しがちな変化や病態などの指摘により日々の臨床に大きく役立つ内容でありました。 講演の最後に、不適切な矯正が行われた事で実際おこった裁判事例の報告がありました。このような出来事はNHKや民放で放送されたり、消費者庁のヒアリングなどでも問題が提起されるなど我々もは現実問題としてきちんと認識する必要性があります。そして襟を正すとともに問題ある同業者に対する態度についても考えざるを得ないと認識しました。
 なおこの講演会は募集定員100名のところそれを上回る熱心な先生方が集まり盛会であった事を合わせて報告いたします。