開講報告

平成29年度ポストグラデュエートコース 4コース

歯の保存を極める ~Before selecting implant~

 福西一浩先生を講師にお招きし、8月27日(日)に平成29年度ポストグラデュエートコース4コースを開催した。当日は、母校の天満橋学舎が研修医のセミナーのために使用できず、大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドンセンター)に場所を移して開催することになった。
 午前は、「CBCT(コーンビームCT)とマイクロスコープを用いた歯肉療法」についての講義があり、根尖病変の検出率に関しては、デンタルではCBCTの約半分くらいの見逃しの可能性を有しているとの文献を呈示された。また、レベルの高い根管治療を行うためにはCBCTとマイクロスコープが必須条件であると解説された。
 午後は、外傷歯と意図的再植の比較検討。また、自家歯牙移植を成功に導くためのポイントの講演していただいた。再植ならびに自家歯牙移植を成功させるためには、まず歯根膜を保存しなければならない。外傷・熱・乾燥は歯根膜にダメージを与え、特に30分以上乾燥状態が続くと歯根膜の生存率は30~50%になると報告された。
 次に、置換性吸収のメカニズムまたエックス線写真による診断の限界についての講義があった。一時性置換吸収と進行性置換吸収があり、年齢が若いほど吸収の進行は早くなると説明があった。

 今回は、「歯の保存を極める- Before selecting implant -」というテーマで講演され、こんな状況の悪い歯も保存可能なのかと、受講生一同が感動した。また、今回若い先生方の受講が多かったことに講師の福西先生も喜んでおられた。

報告者:P.G.C. 副委員長 
吉竹 賢祐(大34回)