開講報告

平成26年度ポストグラデュエートコース 3コース

臨床で使ってみようテレスコープシステム

 平成26年7月27日本学天満橋学舎において上記研修会が開催された。

  本コースは、元東京医科歯科大学大学院教授で本学客員教授の五十嵐順正先生と有歯補綴咬合学講座の田中昌博教授のご提案で開催の運びとなった。近年、欠損補綴症例に対してインプラント治療が頻用されている。しかしながら、欠損部のみに止まらず鈎歯・他の残存歯まで含めた包括的な治療行為であるテレスコープシステムは、無くてはならない補綴コンセプトであると考え企画した。今回、五十嵐先生のご推薦で開業医代表として森本歯科医院 院長の森本 剛 先生にもご協力を頂き、歴史・理論・実技・コストパフォーマンスに至るまで充実した内容になった。

  冒頭に田中教授からテレスコープ義歯のサバイバルレートから見た有用性が示された。また、その要因について口腔生理的要素を含め懇切丁寧にご教授頂いた。また、最新の情報として、テレスコープシステムへのジルコニアの応用例まで紹介があった。  次いで午前の後半では、テレスコープシステムを日本に導入された方でもある五十嵐先生から多種多様なテレスコープの臨床応用例が示された。リジッドサポートが受け入れられるようになるまでの多難な歴史的経緯も含め、本システムの利点・欠点が説明された。また、それらの症例供覧の中で様々な臨床例に対する具体的な対応方法が示された。また午後の講義では、コンベンショナルな可撤庄義歯への応用や詳細ににわたる製作ステップが動画等を交えて示された。

 午後の後半では、臨床家の森本先生からご自身のコーヌステレスコープに対する考え方と、難症例に対する自院での取り組みが紹介された。臨床上の様々な工夫や具体的な対処法が詳細にわたって含まれていた。また、開業医の立場から経営的な示唆も含まれていた。

  講義終了後の総合討議においては、活発なディスカッションが繰り広げられた。修了書授与においては、若い受講生代表として大学61回の中井先生、ベテラン受講生代表として大学32回の金井先生、他大学代表として阪大卒の清水克悦先生に対してそれぞれ3名の講師から修了書が授与された。

  猛暑の中ではあったが、全ての受講生が最後まで熱心に聞き入っていた。

報告者:P.G.C.委員長 佐古好正(大28回)
P.G.C.委 員  新谷継郎(大40回)