開講報告

平成27年度ポストグラデュエートコース1コース

Experience & Evidence Based Periodontal Surgery-先人に習った技術を活かす-

 今回のコースは歯周治療という分野での話であったが、そこにはもっと深い警鐘があったように思われる。
 近年歯科治療において様々な新しい治療法が紹介されているが、それら華々しくさえ感じられる治療法や考え方なども一朝一夕にできるものではなく、あくまでも医療という理念の下に、経験に裏打ちされた治療の根拠と地道な基本的な術式を抜きにしては語れないとのことをあらためて認識させられる機会となった。歯周治療においてはそのトピック的な色合いで華々しく語られるとが多い『再生療法』、そしてこれに加え『インプラント治療』が相まって、これらの分野がまさに歯科治療の最先端を担っているように語られることが多いように感じられる。
 今回の講演では、1本の歯牙にこだわり、そのケースごとに適した術式で、保存に持っていかれてる長期ケースを多数供覧できた。インプラントは最後の手段ではあるが、その使い方で天然歯がより残せるようなプランニングでの植立であった。
 いかに日々の経験が今後の歯科治療に重要か、また、新しいことへチャレンジする大切さと伴に、オーソドックスな基本術式の習得や先人から引き継がれた理念や考え方が有用かを思い知らされる講演となった。 まさに歯科医にゴールはないということのようである。

報告者:P.G.C.委員 押谷敏之 (大37回)
文  責:P.G.C.委員長 佐古 好正(大28回)